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2007年12月

ヘンデル オラトリオ『メサイア』田園交響曲

『田園交響曲』という邦訳ですが後世のベートーヴェン的交響曲とは異なり、羊飼いの笛を意味する"Pifa"の原題をもつ、イエス降誕の場面を導く牧歌的シチリアーナの間奏曲です。

やはりモーツァルト版のスコアから無駄に重ねられた木管をカットして原典に戻しています。
ただ、通常2部に分かれるヴァイオリンが3部となっている原曲に対し、ヴィオラを2分し第3ヴァイオリンのパートを第1ヴィオラに充てている点が異なっています。
余談ですが、当地での『メサイア』公演では木管3重奏で演奏されております。これは笛を意味する原題を尊重した結果でしょう。

ここではやはり『田園交響曲』の邦訳らしく際立って遅いテンポと大きな抑揚であたかも交響曲の緩徐楽章の如き展開を追及してみました。
分厚い大編成の弦楽を基本としながらも部分的に各パート1人の弦楽6重奏とし、時にパウゼも加えています。
ロマン的豊潤さに満ちた演奏です。どうぞお聴き下さい。

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ヘンデル オラトリオ『メサイア』序曲

イエス=キリストの生涯を描いた巨大なオラトリオの幕開けを告げる序曲です。
行進曲ともコラールとも捉れるグラーヴェとフーガの緩急2部からなるフランス風序曲の構成となっています。

『メサイア』演奏ではエディションが常に問題となります。
原典版も複数存在し(1741年初稿~1759年捨子養育院版まで8種、没後1761年版を加え9種、一説には20種超)、
後世にモーツァルトからグーセンスに至るまで幾人もの手によって加筆されています。

私自身が採りたいのはプラウト(1902年Ebenezer Prout編)版。
大英帝国流儀の伝統的なエディションで、サージェント盤にて聴くことができる他、バーンスタインの独自解釈による録音も、ビーチャムのグーセンス版もこれに基づいています。
シェルヘン盤もCDには1742年版と記されていますが聴く限りではプラウト版(もしくはクリュザンダー版)のようです。
しかしスコアを入手するのもなかなか難しく、今回用いたのは昔大学の図書館で見つけたモーツァルト編曲版でそれを基に管セクションを削除して原典に戻しています。
しかし、譜面上には音符と速度記号があるのみで強弱や表情の指示はほとんどなく、クーパースミス校訂フィッシャー版ピアノスコア(基督教音楽出版1960年刊)を元に表情付けを行いましたがそれでもなお不充分なもので、最後は音形を手掛かりに細かなニュアンスを付けて行く作業でした。

Orchestralのストリングスがロイヤル・フィルハーモニーの弦の音に良く似ていることもあり、キリストの波乱に満ちた生涯を予感させるドラマ性を強調するためダイナミクスとアゴーギグを大きく変化させた凡そバロック離れした演奏で、古楽器演奏に慣れた耳をお持ちの方には強烈すぎるように感じる部分もあろうかと思われますがどうぞお聴き下さい。

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